広報けいせい

職員ブログ
福祉の現場その1
利用者のために
この1年間、恵正福祉会の運営する事業所を定期的に訪問させていただきました。全部の事業所というわけにはいきませんでしたが多くの事業所の現場の姿を見ることができましたので個人的に感じたことなどを「職員ブログ」で発信してこうと思います。

とある日の夕方、とうかいどう保育園に行くと子どもたちが編み物をしていました。
みんな上手だな、と思って近づいていくと、
「ねえ、だぁ~れ」
と興味深そうに聞いてきました。
自分の名前を言うと
「〇〇さん、何しに来たの?」
『みんな上手に編み物作っているから、すごいなと思って見ているんだよ』
「ねえねえ、これ綺麗でしょ!!」
「僕はもうこんなに編んだよ!!」
子どもたちは徐々に完成していく手編みのマフラーに目をキラキラさせていました。

ある日、障がい者グループホームりゅうりゅうの職員さんから、りゅうりゅうの庭に植えてあるミカンの木が収穫を迎えたということで写真を送っていただきました。
りゅうりゅうでは収穫したミカンを使ってケーキを作ったり、ゼリーを作ったりして利用者に還元しています。都合がつく利用者が当日職員と一緒に収穫してくれました。収穫する中で利用者とゆっくりとお話しすることができたようで、とても良い機会になったようです。
りゅうりゅうは午前中の早い時間に訪問することが多かったですが、ある朝事務所にいると、
「バスが行っちゃった」
と言って戻ってこられた方がいました。
職員は丁寧に、
『じゃあ、次のバスで行こうね。次のバスは何時かな?』
「8時45分」
『今何時かな?』
「8時20分」
『じゃあ、何時にりゅうりゅうを出ようか』
「8時40分」
『ちょっとギリギリじゃない?』
「8時35分」
『そうだね、そうしたら8時35分になったら出発しましょう!』
利用者は8時35分ぴったりに外出されました。
敬老の日に合わせて介護老人保健施設恵の杜と特別養護老人ホームめぐみでは敬老会を開催しています。
新型コロナの影響で見送ったこともありましたが、今年は無事に開催できました。
ご長寿のお祝いに参加されている利用者から拍手が起こりとても和やかな雰囲気になったようです。
介護老人保健施設恵の杜は法人本部もあるため、鍵の受け渡しなど2階の現場フロアに行くこともありました。夜に業務を終えて2階フロアに行くとテレビをゆっくりご覧になったり、ホールでくつろがれていたりして皆様それぞれのスタイルで過ごされていました。私たちは就業時間の範囲内でしが利用者と接することがないですが、利用者にとっては、そこが生活の場なのだということを改めて認識しました。
「〇〇さん、もう寝ましょう」
介護職員に優しく促されてお部屋に戻っていかれました。
こうやって現場を見ていると、当たり前のことなのですが「私たちが働いているのは利用者(子どもたち)のためなのだ」ということを改めて認識することができました。同時に「自分の目線は常に利用者にあるだろうか」とも考えさせられました。
利用者と直接かかわる職種はもちろんのこと、直接的なかかわりが少ない職種であっても、結果として利用者の皆様に何らかのきっかけを与えることになると思っています。
「こういう取り組みをした場合、利用者(子どもたち)にはどんなメリットがあるかな」
「何をすれば利用者(子どもたち)はもっと楽しく過ごせるかな」
そういった利用者目線での考えが必要なのだと思います。
(M.O.)