社会福祉法人 恵正福祉会|横浜市

晩夏の西穂高岳

夏山のハイシーズンが終わって少し落ち着いたタイミングで西穂高岳に登ってきました。

感染症対策のため公共機関は使わずマイカーで麓まで。

山小屋ではマスク着用。最初はかなり違和感がありましたが不本意ながら慣れてきてしまった自分がいます。

登山口付近までつながるロープウェイはピークを過ぎていたことや上り下りの日は悪天候だったため乗客は少なく快適な状況でした。

今回は個人のブログをそのまま転載します。

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09時04分
今回は感染対策のためマイカーでアプローチしました.
お盆後という事もありロープウェイも空いていてスムーズに西穂高口駅までやってきました.新穂高ロープウェイの終点となる西穂高口駅では現在展望エリアの設置工事をしているようです.
登っていくうちに雨が降ってきたので途中でレインウェアを着て雨対策をします.





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12時07分
写真を撮ったのが到着してしばらくしてからなのでこの時間でしたが、実際は11時過ぎの到着でした.今回は歩荷なのでかなりスローペースでの登りになりました.
久々の重量感にかなりバテましたが、それを見込んであえてゆっくり登りましたので無事に到着できました.





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06時53分
翌日はここ1番の天気ではないかと思われるほど素晴らしい天気でした.
夕方になると雲が多くなりましたが、昼過ぎまではこの時期にしては安定した青空でした.
という事で早速登っていくことにします.
今日は撮影も兼ねているので一眼レフカメラに三脚を持っていて比較的重量があります.
頑張って登っていくことにします.





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07時24分
まずは丸山.道標が曲がっていますが丸山です.
丸山でも景色がひらけてとても眺めが良いです.
登山者が多くないときはしばらく景色を眺めているのもまた良いものです.





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07時24分
夏の西穂の稜線です.
8月後半という事もあり少しずつ秋の雰囲気になりつつあるような気がします.





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08時00分
風が涼しいので登山も快適です.
あっという間にお花畑まで登ってきました.
今日は頂上を狙っているのと本日も宿泊で時間があることや天気も1日安定していると見込んでいるため急ぎません.ここで急いで体力を使ってしまわないようにします.





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08時26分
西穂高岳独標登頂.
とても良い絵が撮れました.
もう少し高いところの雲が出るかと思っていましたが想像以上にいい天気でした.





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08時27分
いつもながらの独標からの眺めです.
まだ夏の景色ですね.
稜線ではトンボが飛んでいて、草花も枯れ始めています.
既に秋の足音が聞こえてきてきます.





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08時27分
独標からこれから登っていく稜線を眺めます.
今日は登山者が多いですね.
稜線上の至る所に登山者の姿が見えています.
人が多いので独標ではあまり休憩せずにすぐに進んでいきます.





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08時35分
第10峰です.
第10峰から山頂へ降りる部分は短いですがほぼ垂直なので慣れていないとかなり苦労します.×印がついている飛騨側はトラバースしていけそうな感じですが実際は絶壁で結局はただ回り込んで戻ってくるだけなので全く意味がないです.





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08時42分
第9峰です.
積雪期は9と書いてある峰のピークの横を若干巻いていくルートになりますが、無雪期はピークを超えていきます.独標からこの第9峰超えてしばらく行ったあたりがかなり難易度が高く、岩登りの経験がないと何かあった時に対応が困難になります.
特にこの第9峰を過ぎて第8峰へ降りていく途中の岩を巻いていく(トラバースほどではないが)部分がとても緊張感があり、独標から先は急にそういった場所が出てくるので本来はそういう危険な場所なんだという心構えが大切です.





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08時48分
次は第8峰、ピラミッドピークです.
稜線に出ると見える一番存在感のあるピークでよく山頂と間違えられます.
ピラミッドピークに向けて登り返す形になります.
積雪期でコンディションが悪いときはかなり苦労する場所です.





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09時01分
第8峰(ピラミッドピーク)登頂.
ここまでくると山頂や山頂までの後半部分の稜線が見えるようになります.
さて、ここから先、無雪期は初めての行程になりますので気を引き締めて慎重にいきます.





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09時17分
第7峰直下です.
鎖が設置されていますが、この稜線を行き来できる経験のある方であれば鎖は使わずに対応できるはずです.
鎖は使うために設置されているわけですが、むしろそこが危険な場所なので注意を促す意味の方が大きいと思っています.





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09時23分
第7峰を山頂側に降りて振り返って撮影しました.
この第7峰は夏と冬ではルートが大きく変わります.夏は写真右側(飛騨側)を巻いていくルートですが、十分な積雪があると峰のピークを超えていくルートになります.積雪があると巻いていく部分が困難になります.





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09時25分
次の第6峰は第7峰側からくると峰と言っていいのかわからないレベルですが、山頂側から見ると立派な峰になっています.





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09時26分
第6峰よりその先の稜線を眺めます.
手前の存在感の大きい峰は次の第5峰です.これは写真左(飛騨側)を巻いていきます.その右後方に見えるのが第4峰「チャンピオンピーク」です.





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09時26分
ここまで来ると見えてくるのが「たぬき岩」
姿形が信楽焼のたぬきに似ているんですね.
この形の岩が暴風雨に耐え続けているというのもある意味奇跡に近いです.





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09時34分
第5峰を巻き、振り返って見てみます.
雪がないと何だか新鮮な気分です.





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09時48分
第4峰(チャンピオンピーク)登頂.
ここはのんびり休憩する場所はないのですが眺めが良いので少しでも安定した場所を見つけて休みます.





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これは下山の際に撮ったチャンピオンピークからの眺めです.
眺めはいいのですが場所がすごいところなもので・・・
登るときは振り返って撮影する余裕がなかったです.





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09時50分
第3峰は巻きます.
トラバースになるので緊張感があります.
積雪期は雪と岩のミックスになりますのでさらに緊張感が増すことになります.
積雪期に比べると歩きやすいですが(アイゼンもないし)、基本的に絶対に気を緩めてはいけない場所なので慎重に乗り越えていきます.





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10時00分
第2峰も巻きます.
積雪期は登山道が雪で埋まって谷底まで続く斜面になってしまうため、雪の状態によっては稜線に上がる事もあります.その時々の判断です.
無雪期はありがいことに安定した登山道がありますので気を緩めずに登山道を確実に歩いていきます.





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10時16分
西穂高岳主峰直下です.
ここが今回一番心配していたところです.
積雪期は真ん中の影になっているルンゼの部分を登れるのですが、無雪期は無理です.
そのため左側の部分をクライミングします.





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10時21分
ルートはマーキングされていますがホールドできる岩や足を置く岩が限られており、つま先で体を支えないといけない部分も多く、特に下山時は慣れていないと谷底まで続く急斜面に恐怖感で進めなくなってしまいます.
もちろん鎖はありません.
ここで鎖が必要な方が登ることは想定されていないからだと思います.それだけ危険な場所です.





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10時31分
西穂高岳登頂.
無雪期は初登頂です.





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10時31分
山頂から焼岳・乗鞍岳方面を眺めます.
目下には今まで歩いてきた稜線が遥か彼方に見えています.





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10時44分
山頂から少し先へ進んだところ、クークーという鳴き声がしてきました.
よく見ると、いました雷鳥です.母親でしょうか.近くに子どももいて心配していたんだろうと思います.





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10時50分
P1登頂.
ここから先は控えておきます.





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10時51分
ここから先は一般登山道ではありません.
既に山頂をこえてバリエーションルートに踏み込んでいます.





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11時08分
P1から西穂高岳山頂を振り返ります.
こうやってみると西穂高岳山頂というのはカッコイイですね.



今回はあらゆる条件が整ったためこうして西穂高岳登頂が叶いました.
初めて無雪期の主峰を踏んで思ったのは、やはり西穂高岳主峰は大変技術が必要な登山道なんだということでした.
無雪期と積雪期の両方の時期に主峰登頂して初めて見えてくる危険性もあったように感じています.

穂高の山は登れば登るほど怖く感じるような気がします.
それだけ回数を繰り返すことによって今まで見えていなかった危険が見えてくるようになったのだと思っています.

これからも「慎重すぎる」と言われるくらいでも構わないと思っています.

穂高の山が楽しい思い出の残る山でありたい.
そう願っています.

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